補助金情報Subsidy

日本人と寄付

日本の寄付金は、世界の中でも非常に少ないそうです。
各国の経済状況等の違いから単純比較は難しいのですが、アメリカ等の先進国のみならず、新興国等と比べても、日本の寄付金の額は低い水準にあるようです。 また、日本では法人が寄付をする割合が高く、個人の寄付の割合が低くなっています。
ではなぜ、日本では寄付をする人が少ないのでしょうか?これには大きく分けて「文化の違い」と「税制の違い」が考えられます。
「税金」のひとつの役割として「所得の再分配」という考えがあります。これは、所得の多い人から税金を集め、お金を必要としている人や団体に所得を分配する、というものです。日本では、この「所得の再分配」を「国」が行ってきました。つまり「寄付」=「税金」というイメージがあるようで、誰かの為に寄付をするという実感がわいてこないようです。
これに対しアメリカでは、昔から個人が寄付をすることは特別なことではなく、「国」に頼らず、民間で助け合おうという精神が根付いているようです。寄付をすることが名誉であり、高所得者だけでなく、低所得の人も含め多額の寄付を行っています。
この状況を打開すべく、日本では寄付に関する税制が見直されています。日本で寄付金を支払ったときには、寄付金控除(所得控除)ができます。それまで、地方自治体等の限られた寄付のみが寄付金の控除の対象でしたが、平成23年の改正により、認定NPO法人等に対する寄付もその対象となりました。また、一定の寄付金については、寄付金控除に代えて、税額控除を選択することもできます。さらに「ふるさと納税」のように、特産品がもらえるようなものあります。
匿名でランドセルの寄付をした人や、震災における「義捐金」のように日本にも誰かの為に、世の中に貢献したいと思っている人はたくさんいます。税制がその「足かせ」となるのではなく、「アイテム」となればいいですね。

京都財務サポート 宇都宮 健司

お問い合わせ まずはお気軽にご相談ください。